添乗員(兼サイクルサポーター)が見た
「南仏サイクリング〜サポート始末記」リヨン〜マルセイユ10日間


(5月19日:月) 2008  「成田〜パリ〜リヨン」
     20日からのツアーに先駆け一足先に成田からフランスへ。JLでパリ、AFでリヨン。この間荷物はスルー(航空会社が自動的に最終地点に荷物を運んでくれる)。パリのシャルルドゴール空港(CDG空港)にて再度荷物を受領したりする心配なし。入国管理の後、一度表に出させてもらい(以前と違うか確認したくて〜但し再入国管理時、もう一度身体検査は必要)変わりはないかとTGV乗り場の下調べ。JLはこのFターミナルだが、ここの1階中央に荷物預けがある。ターミナル右のエスカレーターで2階に戻りまっすぐ250m先にTGV駅がある。1階に降りて切符カウンターや案内。その下階がホーム。下調べも終わり再度身体検査をしAFカウンターにぎりぎりで戻る。満席のAFに乗り約1時間でリヨン空港着。リヨンの町の上を飛ぶので地図通りの町並みが確認できる。旧市街地も望め見ごたえかなり有り。

リヨン空港着後、空港レンタカー事務所のシャトルがあるのだが近いと思い、うろうろしている内に遠くまできて空港駅を通り越して広大な駐車場を突っ切りガススタンド兼用コンビニで聞く。そこから400m戻った左側にやっと「ヨーロッパレンタカー」発見。荷物があるし疲れて時間の遅れに焦った。教訓1=「空港出口でじっと我慢でレンタカー会社のシャトルバスを待つべし」。但し、ここのレンタカー係員は不親切。保険の説明もない。全て加入すると言ったのが通じないのか結局何も加入して無く、後日の車上荒らし盗難で困ることになる。

その後何故かリヨン地域のみナビがどういじろうと何をしようと「見せるものか」と画面に出ず、当てずっぽうで出発した。案の定、高速で訳がわからなくなり何とかリヨンのローマ時代の遺跡?(旧市街のノートルダム聖堂)と思える場所に到着し高速を思い切って「エイャ!」と降りた。9人乗りでマニュアルギアーで右ハンドルは慣れないと大変(私の場合は仕事がら回数を踏んでいるので何となく問題なし)。市内はどこも同じような通りと古めかしい建物で訳判らずぐるぐる。やっとリヨン(パールデュー)駅を発見し近くにあるはずの予定のホテル(パーク&スイーツ)も発見。すでに夜も10時半。パーキング時にギアーがバックに入らず困ってホテルの係員に入れ方を教えてもらった。もしも誰もいない夜の途中の細い田舎道でバックできなかったら最悪。ギアーの頭を上に引いてギアを入れる簡単なやり方だが、ひっぱったり押したりでは入らずコツがいる。ちょっとしたことでも・・焦るとできない。

ホテルは駅近くにもっと感じ良さそうなのがいろいろあるが、当ホテルの私の部屋は内側2階で窓からはホテルの内側のレストランしか見えない。余りよい感じではないが、取りあえず贅沢は言ってられない。ただシャワーが平らな床なので水が部屋にめがけて攻めて行くのには困り、裸でジタンダ踏む時間もなく「ニャロメー」と負けずにバスタオルで堤防を作った。この時期、リヨンのホテルは何処も混んでおり予約が大変とのこと。いやはや1日中いろんなものと戦い(実際日本時間は何と!もう朝8時)、空腹だが格闘の末疲れ果て、口にするものも特になくリンゴ1個とビスケット。でもでも〜お待ちかね!冷蔵庫のビールを1本発見しそれを飲み「ウグェ−!うま〜い」と言いやっと消灯。

(5月20日:火)2008   「リヨン〜パリ〜リヨン」
     午前中はヴィエンヌへの道の前にリヨンの道を知ろうと・・あっちこち。一方通行が多すぎて直ぐに自分の位置見失う。そしてヴィエンヌへ行く。約35kの平坦な田舎道だ。この街へ入るときに水量の多い川(ローヌ川)に道が合流するが、遠方の町並みと重なり合って見事な景観。ローマ時代の小さいが重々しい町並みが今も同様に息づいている。早速町の中心にあるというホテル(セントラル)を探しあて、主人に会い同ビル内の駐車場も教えてもらう。実に古い建物だ。暗い廊下からローマの騎士が剣を持って出てきそうで、思わずこちらも身構える。

次は明日の夕食レストランを探す。ホテルから約200m程のサンモーリス大聖堂そばの感じよい小さなレストラン。「le petit crex」と言ってどうやらこの古い建物に若夫婦二人で切り盛りしている感じ。2階に20名程入る個室がある。実は小さな町で田舎なので日本からの予約が不可能なのだ(ヴィエンヌを含む3箇所)。で、今週はカエルの天ぷら?ふうのメインデッシュがお薦めとのこと。食前酒はキール(カシスと白ワインのカクテル)又はキールロワイヤル(カシスとシャンパン)で予約。これでヴィエンヌはひと安心。車ももう自分の車という感じでよい子に代わりつつある。

午前中にリヨンに帰り明日の昼食レストランを探す。幸い宿近くで出発コースに近い場所に小さなレストラン(個人的には随分昔に個人で食事したことがある)をやっと発見。ここは地元の人しか入らない何となく古くて目立たず怖い感じ。以前と代わらず45才前後のダンディーな店主が英語で対処してくれたがfeeling good。タラ(ロット)だかスズキ(ソル)だか忘れたが明日11:45で予約した。2階に10名はいる個室が2つあった。ただ2階も多少狭くて古くてゴチャっとしているので皆さんが気に入ってくれるかどうか心配。

さて午後。皆さんを出迎えにシャルルドゴール空港へ行く。パールデユー駅に徒歩で行きTGVに乗る。この時に気を付けることは「パリ市内に入るTGV」、「CDG空港行」、「他所行」、の便と色々あり場合によっては連結で前後の籠が違う場所に行くこともある。そしてCDGに真面目にビールも飲まず無事到着。多少時間が遅れ走ってFターミナルへ向かう。折良く前方にY氏が丁度来てめでたくミート。さて初対面の方もいるので簡単に挨拶。そして全員でバイクケースからバイクを出し輪行袋に入れ替えるのだが、ダンボールの中に既に輪行袋でセットしてあり(又は予め補強された輪行袋)難無く一時預かり所にまとめたダンボールを差し出す。何と色々詰め込んだので90ユーロのところ140ユーロと無愛想なオヤジ係員に言われ、負けずにE110に値切った。その後のエレベーターで災難が降りかかる。やっと乗れたのは良いが途中でストップ。慌てて係員に伝えようやく2階に全員揃い晴れてTGVへ。30分程かホームで待ちTGVが入車。

快適にTGVは走りリヨンへ着いた。レンタバンは9人乗りだが全員のバイクと荷物は無理。申し訳なくもY氏K氏N氏にバイクの見張りのために残ってもらい他の方と一緒に徒歩でホテルに向かう。バンをパーキングから出して駅に戻りバイクと荷物、3名さんの全てを運んでひと安心。あとは遅れてやって来るO氏の出迎え。その間にA女史の部屋がまだベッドメイクもなく片づいてない(夜の10時過ぎなのに)とのことで他の部屋へ移動してもらったとのこと。今度はメゾネットの大部屋で豪華だけどいかにも一人では不安そう。そうこうしている内に荷物が多くて重くて大変なO氏がやっと駅に着き1日が終わった。結構結構。大荷物のおかげでO氏はTGVの乗るのを拒否されて大変だったらしい。この65歳過ぎのO氏はツアー後も8月中旬まで英国をのんびりサイクリングの旅を続けるという根性の人。時としてキャンプ場にも泊まるそうだ。さてこの日もうっかり簡単な夜食(サンドイッチ)しかなくメタボ気味なので丁度良く、前夜に引き続きお待ちかねの1本しかないビールを流し込み「ウグェ−!うま〜い」と昨夜に続き、今夜も同じセリフを言い・・・・・お休みなさい。

(5月21日:水)2008 第1日目=「リヨン〜ヴィエンヌ」30k
    さぁ〜初日。力が入る。でも慣れた皆さんに気負いはなさそう。リオンはフランスでも大都会で一方通行も非常に多いため、行きたい方面に向かっても知らないうちに別な方に行かされる。午前中は各自フリータイムとしてこの大都会の旧市街に向かいフェリヴィエールの丘周辺の有名な古代建築を各々見て回る。その後、昨日予約したレストランに行き魚(タラ)コースで昼食。自己紹介等Y氏の音頭で和気藹々のランチ。

食後ホテルに戻りスタートの準備。午後1時半。いよいよ待ちに待ったスタート!と言ってもレースではないので、何となく「ずる〜」と言う感じの発車でのんびりムード。取りあえず迷路のような市内を先導するのがベストなので3キロほどはのんびり先行する。平坦な田園+工業地を皆さんは時速15〜18kで走る。天気も良し。幸先がよい。約15キロ程で左側に田舎風パブ発見。早速渇いたのどを癒すためY氏N氏、K氏あたりが先導しすっかり店内でリラックス。次はパブから5キロ程行ったコンビニ。飲み水を買い車に積み込む。日本同様の値段。この時K氏M女史が電話カードを買い求めた。しかしあとで判ったことだが、このカードは特定サーバー用の携帯電話にしか使えないとのことだった。私も知らなかったのだが、普通は公衆電話用にこのカードは売っている。結局最終日まで返金が出来るところは無いか探したりで努力も甲斐無く両氏には心配をかけてしまった。

午後4時、初夏の風に乗ってヴィエンヌに無事に到着。ローヌ川と古い町並みが重厚な景色を作り出している。めでたしめでたし。昨日のホテルマネージャーで無愛想親父が可愛い娘さんと出てきて応対をしてくれた。例によって暗いというか真っ暗な廊下を部屋へ。夕食は昨日予約の「le petit crex」へ。またここで失敗。料理の出てくるのが実に遅い。2時間ほどが限度と思い最初はのんびり構えていたのだが・・・それにしても。結局飲み物15分、前菜30分、メイン45分、デザート30分 で何となく3時間。昨日の昼食がスピーデイだったので言わなくても2時間と踏んでいたが・・・イチイチ言うのも気が引けたが言うべきだった。と言うか事前に言うべきなのを怠った。厨房で若夫婦二人は懸命にやっているのだが・・。しかしあれは時間を考慮か(実は私は、何を隠そうその理由を知っていたのだ!)。・・・店側からしたら、早いとドリンクが売れない。逆にお客さんからしたらゆっくりしたいのにと文句が出ることもある。そんなこんなでその間(ドリンク〜前菜〜メイン〜デザート)を10〜20分が丁度良いとのこと。ここで教訓2.「合計食事時間は事前に申し述べるべき」。そして・・後日からはどうやら1時間半のルーティンが守られた。またこの日のカエルの揚げ物はまぁまぁとのことでした。明日から「足にバネが利くかな〜〜〜」と誰かがそっと呟いた。実際この食事時間の長さには私を含め皆さんにご迷惑をかけた。

(5月22日:木)  第2日目=「ヴィエンヌ〜ビュールパール〜ロマンスィルイゼール」70k
     ヴィエンヌの町を出るには約1キロの坂(5〜7%)をこがなければならない。グループ内新人のT女史がたまらず下車。時折車が走り去る田園の中、牛に見られてバイキングは続く。昼食はビュールパール。全く小さな街だがやはり随所に欧州らしい石の家々が並びオープンカフェの周りには子犬も調子ずいて賑やかだ。広場の角の一軒のレストランに入り鶏肉ソテーを食べる。確かビールを入れて17ユーロほど。まぁ〜安いかな。ここでまた失敗。順調さとうららかさと心地よい欧州の田舎に惑わされうっかりビールをジョッキに半分飲んでしまったのだ!自分は運転しているし、皆さんの道しるべなのに・・・。自虐の念を振り払い「無かったこと」にして気を取り直し・・・・

再びバイクは次の町この日の宿泊地「ロマンスィルイゼール」に向かう。途中の道は実に田舎という雰囲気で登坂も特になくのんびりムードで皆さんには楽な進行か。終点近くではトランシーバーで道の確認をしながら無事ホテル着。2名が行方不明になったが15分後自力で地図を頼りにホテル着。私は夕食のレストランを探すため一人車で探索。町中のおしゃれな店も色々あったがどれも安すぎたり、高すぎたりかたぐるしそうで丁度良い店が無くこの日の夕飯は結局ホテル。ホテル裏庭のプールサイド。オードブルがバイキングなので沢山の野菜とチーズが取れた。魚又はビーフ、鶏肉。デザートはアイスクリーム。フランス語ではグラースという。部屋は何の変哲もないビジネスホテルを広くした感じで建物だけは欧州の片田舎にいるとは思えない。但し機能は充実している。昨夜のホテルがこれでもかと言うほど古めかしかったので何か変な感じ。

「私が学び再認識したこと」
  @チーズに関するうんちく:代表的なものは-------
   (1)カマンベール=白かびタイプ。クリーミー。 (2)ロックフォール=青かびタイプで癖がある。
   (3)リヴァロ、ボンレベック=外側を洗って熟成。円形でオレンジ色。
   (4)カクベー=山羊の乳。マイルドで食べやすい。
   (その他)ローヌ地方=トムドサヴォア、ボーフォールなどやや堅いものが多い。
   (その他)プロバンス地方=バンオン、ピコドン等山羊の乳タイプが多い。

@ワインに関するうんちく:-----------
  #1.まずはワインの格付け=上から
    (1)AOC=原産地統制の厳しくコントロールされたもの。ボルドーワインの5大シャトーが有名。
           Chateau Mouton Rothschild, Chateau Lafite Rotheschild, Chateau Latour等々
    (2)VDQS=原産地統制ではなく様々な場所産地の高級ワイン
    (3)Vins de pays=いわゆる地酒の並級ワイン  (4)Vins de table=並級の原産地が混合のワイン
  #2.今回の旅では
(ローヌ地方)=シャトーヌフデパブ、ジゴンダス、が高級ワインで味わい深い
               (プロバンス)=バンドルやパレットがお似合い。

(5月23日:金)  第3日目=「ロマンスィルイゼール〜クレスト〜モンテリマール」77k 
     朝のスタート前、O氏の車輪が廻らないと言う。ブレーキワイアーがクイックレバーに咬んでいたのでこれは廻らない。当のO氏を始め皆さんで珍しい手違いに大笑い。さてロマンシュルイゼール市から直ぐの水量の多いローヌ川を渡る。近くのマーケットで早速ミネラルウォーターの補給。皆さんはすでに5キロ先を初夏のそよ風に乗ってゆっくり確実に走っている。平らな田園風景が続く。途中11時頃、Y氏に「クレスト」の町の川の前で待ちます」と言付け、先に進む。小さな街なので先行して入り方と出方を探すまでもないような町並み。感じ良いレストランがいくつか有り、町の左側には切り立った岩山がそびえている。上場には古城が敵をあざ笑うかのように高々と下界を見下ろしている。町中の細い路地には商店街が並び観光客も多い。

橋のたもとに戻り皆さんを待つ。すでに60分(12時半)。来ない・・・そしてどうするか考えている内に1時になってしまった。「例の居心地の良いパブか美しいお城か何か見つけ楽しんでいるのかもしれない・・・・」と思ったり・・・・いつもなら逆に探し回っているのに、何かのギャップに落ち込んだのか?まだ私は1人で待っている。何故か動かない。ハッと気がつき、もしや・・・と思う。ダッシュして車のキーを回す。逆送して15分。皆さんの姿が見えた。何となく人数が少ない。やはり・・。でA女史の転倒を知った。Y氏がタクシーの手配をし病院へ運んだとのこと。携帯電話も電波が悪くてつながらない。本来、これは私が早く気がついてやるべきこと。しかもY氏は「橋を渡って」私を探していたという。ハッキリ言わなかった私が悪い。しかし幸いにしてA女史の怪我は小指の殺傷だけ。2針縫って治療は終わった。山頂の病院なので下の皆さんとトランシーバーでやり取り。橋の麓のレストランで食事は済んだとのこと。Yさん皆さん有り難う、そしてご苦労様。 午後はA女史を助手席に載せてモンテリマールに向かう。A女史は皆さんとTGVの疾走する姿を見ていて追突し落車してしまったという。よくあるパターン。大事に至らずひと安心。教訓3.「不思議、不安がよぎるときは早めに積極的に行動すること」

    モンティマールの街に入った。道が古く狭く車が多い。一方通行ばかり。それでもヴィエンヌから復活したカーナビを頼りに前進。素敵な古い館ホテルは大通りの内側にゆったりと、手入れが行き届いた小さくてもゆとりのある石造りの身体をのぞかせた。ただ通りの石畳にすべりY氏婦人が横にペタリと転んだ。しかし、特にけがは無く一安心。並木通りの繁華街の中にあるホテルは、今にも中世の紳士淑女が廊下を歩きそうな感じだ。部屋もまるで500年前と同じ感がある。S氏は「良くこんな風流なホテルを選んでくれたね。最高だよ」とほめてくれて心から嬉しかった。愛想の良いマネージャーが前庭のパーキングを指定してくれた。そして夕食は大通りの向いにある「LE CHALET DU PARC」ここでは3種類のメイン。魚、肉、あとはこの地方特有のパテのようなものに野菜やらが入っているもの。あらかじめ東京から予約したレストランなので、高級感がある。もちろんこれまでよりも高い。ただし、ここの可愛い女給さんの英語はまき舌で聞きとれない。電子辞典でやり取り。やはり時間がかかり皆さんには迷惑をかけた。

(5月24日:土)  第4日目=「モンテリマール〜パールラテ〜オランジュ」60k
     朝。またまた今度はS氏の後輪が廻らないと言う。これもサドルを下げ過ぎたた為、シートポストと一緒に泥除け(カバー)が後輪の上にしっかり乗っていた。皆、メンテは理解しているのに実に楽しい「簡単なスポット」にはまり込む。やはり長い道中のちょっとしたこと。ホテルの並木道を左にスタート。やはり3キロ程、先導。途中XXXと言う街に立ち寄る事になるが旧市内(というか旧町内)に入るには凱旋門を小さくしたような門をくぐる。ここがなんとなくお気に入り。街の後方に小高い丘があり頂上に古い教会。町並みが可愛い。天気もよくサイクリング日和。昼食はビュールパール。私は皆さんと離れてファーストフードのシシカバブ。これは牛肉と七面鳥の肉をトマトやキャベツと一緒に大きなフランスパンにはさんでガブつくのだが、半分ほどで満腹。コカ(フランスではコカコーラの事)とSETで7ユーロ。少し曇り、風が出てきた。ローヌ川沿いに平坦な街道を行く。やがてオランジュの街に入る。凱旋門を通り、旧市内へ。今度のホテルはベストウエスタン系列の「Arina。丁度、旧市内のど真ん中。ホテルの正面の小庭でにぎやかに「ファッションショー」が行われている。いわゆる美しいモデルではなく一般参加の感じで、ファッションも、普段着。5階の窓から小さなベランダが可愛い。丁度。隣のベランダからY氏ご夫妻が同様に現れる。ショット写真を取る。可愛いホテルから古代劇場隣にある「LE YACA」にて夕食。本日のメニューは、皆さんに気に入るかどうか・・・うさぎの揚げもの。どこも丁度10人席がマクシマムなので何となく私一人で表のテーブルでウサギ。夕食は7時に始まり8時半に済ませ、街中を散策。見る物が多い古代史の街並みは夕もやに暮れてゆく。写真は美人のウエイトレスさんでお顔がローマ帝国時代の宮廷内の女人ぽかった・・・・・。

(5月25日:日)  第5日目オランジュ〜アビニヨン〜アルル」63k 

この街道は古代ローマ帝国の重要な都市達でつながっており、古代の戦士がおそらく歩いただろう道をサイクリング。多少の登坂はあるが快適な道だ。ただし生憎の雨。昨日まで、車の助手席に乗車していたA女子も雨をおしてバイクをこぐ。雨カッパに包まれ歴史の街を軍行。途中、町の名前は残念ながら判らないがとてもすてきな町があり、古城もそびえて・・2日前のクレストの町を小さくした感じ。さて、アビニヨンに到着。有名な「あの大聖堂」の前でS氏とパエージャの昼食。久々のご飯で納得。雨も小降りになり、全員何となくちりぢりで昼食を済ませアルルへ向かう。

途中の田園で一休みしようとしたら、なんだか人数不足、K氏が行方不明。バイクのギアーをいじっていたら誰もいなくなったとの事。それから2時間後、K氏とはアルルの円形劇場前でバッタリ会う。先行していた私は一安心。それまでは心配しているかと思って街中をうろうろ探す。K氏はというと結構うれしそうにビデオを廻していた。良かった。所でアルルの市街地は特に要注意。というのはとにかく道がこれまで以上に狭く一方通行ばかり。今夜のホテルに着くまで車は1時間半近くうろうろ。前の車も接触事故を起こしポリスの質問を受けて余計に時間をくった。例のアルル旧市街にあるレストラン「夜のカフェ」。これはゴッホの有名な絵。その前にホテルはある。フロントの親切な女性が「約300メートルも川側に無断駐車してギブアップした私」を一緒に連れて戻りホテルへ誘導してくれた。さすがに「犬のように嗅覚と方向感覚の良い」私でもダメ。並みのドライバーなら気が狂いおそらく川に突っ込み自殺しているかも。恥ずかしながら私一人遅刻。皆さんのバイクは1時間も前にキッチリホテルに着き女性達はもう市内散策に出発したらしい。

夕飯は予め予約していたau brin de thymにてこの日はステーキと鶏。ホテルから歴史小道を歩き200メートル。ところで話は戻るが、宿の前にあの有名なゴッホの描いた「夜のカフェ」。描写実態のカフェがそのままその場で営業している。客は多くは無かったが、私も夕食後、ひとりカフェタイム。

(5月26日:月)第6日目=「アルル〜サロンドプロバンス〜エクサンプロバンス」85k
    昨日、アルルの街は嫌と言うほどグルグル廻ったので、このアルルを脱出する道はフロント女性の案内もあり、かなり理解している。「オー、ここ昨日通ったぜ!」「ここもだー」「ここは右に曲がったから変なところに行ったんだ!」といいながら難なく脱出。2キロ地点でGASを入れる。ディーゼル90リッターで¥18,000程だった(ディーゼルがリッター¥200・・・高い!)途中、フォンベイスの「ドーテの水車」見学。その後、レボー族の「レボー城」は上りがややきつくて皆の顎が上がってきたが、頂上まで約6キロ。見渡すと地中海は見えずとも大平原がしっとりと午前の陽にはえている。ここ「レボー城」は白く切り立った山城でときを向かえるには良い場所でしばらく休憩。さて、ここからはサロンドプロバンスまでは下りが多い。12時近くになり多少空腹になる。

レストランやパブも見当たらず、ルート変更で、平坦な道を選びミラマール方面に。ここで例の事件が起こる。街道筋のレストランのバイキングランチを取る間に車上荒らしあったのだ!後で考えるに私が悪い。皆さんに注意しているのに、自分はショルダーバックを助手席に置いたままだったのだ。但し、お気に入りのアイポッド2000曲入りと外国用ドライバーライセンスと老眼鏡、ガイドブック、帽子位しか入っていなくて、貴重品は身体につけたサイドバックにあったので不幸中の幸いか。大き目のサイドガラスが割られショルダーバックのみ盗まれた。事故を見た店主がポリスに電話してくれたがポリスが来ると時間がかかり午後がボツになってしまうので先に行ってもらった皆さんの後を追ってサロンドプロバンスに向かう。割られた窓はバックミラー枠以外をガムテープで貼りめぐらして修理。途中、日本の保険会社に事故の報告。但し、車上荒らしによる窓の修理代は出ないと言われた。ここで問題なのがレンタカー会社のヨーロッパレンタカーだ。他より料金が多少安いのは良いが、冒頭で書いたとおり不親切(特にリヨン空港)なので全ての保険加入を確認したのにを何も入れてくれていなかったのだ。そんなこともあり、やや動揺しながら次のエクサンプロバンスへ向かう。

このサロンドプロバンスも脱出が難しい。方向が合っていても出口は高速しかな〜い。30分後、やっと見つけた道路は入り口のみ高速ですぐ一般道に。さて今度はエクサンプロバンスへの入り口。何度も入り口の道とホテルへの道を行き来して注意したがどう考えても高速道路。はたしてバイクが通行可能なの?

     他に道がない。あるとしたら10キロ手前から南への大回りになり実際の距離は20キロ程も多くなる。この日は距離が長いので余計な20キロはつらい。案の定トランシーバーがなり高速を通り街に入ったとのY氏からの連絡。女性達も恐怖感いっぱいだったらしいが、街道からそれた小道があるはず。ここは次回チェックが必要。今回の皆さんすみません。エクサンプロバンスの宿は4つ星の新しいアメリカンタイプ「アクアベラ」。夕食はホテル中庭の「Orangerie」、他に客も少数で、ゆっくり上品な食事が出来た。皆さんもこの日でサイクリングの行程を終了したのでなんとなくゆったり。明日はフリータイムなので時間もたっぷりある。Y氏の提案でバーに移り一杯始まった。ただ、私は車上荒らしのことで保険の問題とか明日のマルセイユの検索、ロンドンでの今回の精算仕事の整理もあり、車の駐車位置を安全な方向に向けて部屋に戻る。

(5月27日:火)  第7日目 「エクサンプロバンス滞在」 
     午前9時にA女史をつれて近所の総合病院へ。院内であちこちたらい回しにされた挙句とある治療室へ。そこでA女史と別れてマルセイユへ。後で知ったのだが、彼女が待っていても一向に呼ばれず又他へ廻されたとの事。時間がかかり判りずらい。教訓4.「という事は最初から小さな個人の外科医院に行った方が良い。軽い怪我や軽い病気はそうした方が良いと判った」。但しそれなりに整った施設のある医院と言う条件付で。結局、最前の処置が出来ずA女史には無駄な時間を使わせてしまったようだ。

さてマルセイユ。高速を45分程とばす。例によって市内に入ってからが大変だ。何処から入って何処にいるの?という感じでここでカーナビと私の嗅覚が働く。中央駅と今の場所が判り、次はヨーロッパレンタカーも判った。フランスは駐車にうるさくない(パリはうるさいが)ので他の住民達と同じ感じで「割り込み身勝手駐車」を試みうまくいった。昼食は一人でマッシュルームと野菜サンドイッチでランチ。その後港界隈にあるというブイヤベースの店を探し10店程廻るがやっと2軒のみだった。1725ユーロといったところだが最近では地元の人々も、この魚介類+野菜スープは地元レストランではあまり食べないらしい。どうしてか判らないがあまりに身近にありすぎるからなのだと勝手に思う。

さて高速に乗ってエクサンプロバンスに帰るつもりがマルセイユの湾沿いがなんとなく走りやすいようなので、そのまま北上。何処まで行っても高速の標識が出てこない。やっと発見した所はもうエクサンプロバンスの10キロ手前。まあ今日は時間があるのでいいか。後はレストランの予約。ホテルに帰り、幸い徒歩7分の裏通りにクスクスを食べられるアフリカ風の小さなレストランla medina de fesを見つけた。まつ毛が私の3倍はありそうな30才前後のにこやかなマネージャー?が対応してれた。クスクス(Couscousあるいはkuskusは、小麦の一種であるデュラム小麦の粗挽に水を含ませ丸めてそぼろ状に調整しその粒を主食とし、肉やスープ類と共に食べる料理を総称してクスクスと呼び北アフリカから入った料理。これは個人的には美味いとは言いにくいが皆さんドリンクも進み最後の夜が更けてゆく。セザンヌが活躍した町を何となく散歩しながらホテルに帰る。

(5月28日:水) 第8日目=「エクサンプロバンス〜マルセイユ〜ドゴール空港」
    朝の高速は混んでいても日本とは違う。マルセイユの高速は快適に車を運んでくれる。レンタバンに荷物とバイクを積み込み私を含め3人が乗り込み、ワゴンタクシー2台に他の8人が分乗。2台で120ユーロ(¥20,000)多少高く取られたが仕方がない。前日にもホテルのフロントに頼んだのだが3台も来てしまった。仕方なく1台を取り消したがそのドライバーには悪いことをした。フロントがいい加減な予約をしたのだ。そして9時発で9時40分マルセイユ着。

   取りあえずマルセイユの中央駅のコインロッカー(1番ホームの先端にある)に行き、1箱4ユーロに荷物を預けた。まだ10時13時発のTGVには3時間あり何となく港方面へ。私はここで「ヨーロッパカー」のレンタカー返却事務所に行く。丁度おり良く例のミラマール付近での盗難品を拾った親切な女性(50〜60才)から事務所にTEL入り取りに来いとのこと。しかし、片道1時間で往復2時間。TGV発着まであと残り時間は2時間半。大事な国外運転免許もあると言う。もって来いとは言えないので仕方なくFAX英語で日本の我が会社にカード類のみ郵送してもらえるように伝えた。送ってくれるかは判らないが。(ところが・・・約2週間後に日本の我が社にカード類は無事到着)。写真はマルセイユ中央駅から旧市街を見る。

そうこうしているうちに皆さんは港の風景を楽しみ駅方面に戻ってきた。ブイヤベースを食する時間も無くM女史も残念そう。私は少し前にサンドイッチを食べたので・・・お付き合いができずに申し訳ないことをした。マルセイユ駅に早めにスタンバイしのんびりTGVを待つ。ホーム内はフランス第2のこの都市の喧噪をそのまま駅構内に持ち込んだような賑わい。無事TGVに乗り込みシャルルドゴール空港に帰着。

帰り際、ロンドンにツァー精算の方々あり、丁度時間が無く皆さんにお疲れの挨拶も出来ず失礼してしまい申し訳なくロンドンに向かった。1日以外は天気にも恵まれ、大きな事故もなく病気もなく車上荒らしはあったが物だけで済み、A女史のアクシデントはあったがその後サイクリングは可能であったことを思えば総体的にラッキーな旅であったのではと勝手に内心思う。皆さんには8泊10日のサイクルツアーに参加頂き心からお礼を申し上げ筆を置きます。また数々の失敗心からお詫び致します。・・・・・そして皆さんの健康な足とすこやかなマインドに乾杯!!!!!

「お泊まり頂いたホテル」---------------
5/21 リヨン      .ParkSuites PartDieu111Boulevard Vivier Merle/phn:33-472841040/fax:33-472841041
5/22 ヴィエンヌ    Central          .7 rue de l'archeveche/phn:33-4-74-851838/fax:33-4-74-319633
5/23
ロマンシュルイゼルConfort inn Primevere avenue adophe figuet/phn:33-4-75-051020/fax:33-4-75-056767
5/24
モンテリマール  Sphinx           19 boulevard desmarais/phn:33-4-75-018664/fax:33-4-75-523421
5/25
オランジュ    Arina           .place des langes 84100/phn:33-4-90-114040/fax:33-4-90-114045
5/26 アルル      Hotel du Forum     10 place du forum13200/phn:33-4-90-934895/fax:33-4-90-939000
5/27
エクサンプロバンスAquabella        2rue des etuves 13100/phn:33-4-42-991500/fax:33-4-42-991507

「レストラン」--------------------
5/21 lyn  plein
5/22
 Vie  .le petit creux
5/23 RMT ..resthotel primevere
5/24
 MTM .le chalet de parc
5/25 ORG .le YACA
5/26
 Arl   au brin de thym
5/27
 Aex  hotel=Orangerie
5/28
 Aex  la medina de fes

有り難うございました!!グッディー・スポーツ・ツァー武藤誠治〜記